退職した年のふるさと納税の上限額の考え方
- 年の途中で退職すると、その年の給与は働いた月の分だけになります。収入が減る分、上限も下がります。
- 前の年の住民税の通知は、退職した年の上限の目安には使えません。通知の金額は、前の年に働いた分をもとにしているからです。
- 年内に再就職しなかった人は年末調整がなく、確定申告になることがあります。申告するなら、ふるさと納税もすべて確定申告に書きます。
退職すると、上限はどう動くのか
上限は、寄附をした年の所得をもとにした住民税の所得割額で決まります。退職した年は辞めたあとの給与がないので、所得割額が小さくなり、上限も下がります。
総務省は、特例分の控除は住民税の所得割額の20%が限度で、これをこえた寄附は自己負担が2,000円より増えると説明しています。式の全体は上限額の計算式にあります。
住民税の納税通知書は、前の年に働いた分をもとに、退職後も届きます。その金額が大きくても、退職した年の上限が大きいわけではありません。
式で見る例
式の使い方を見るための例で、実際の人の金額ではありません。所得税率は10%と仮に置き、退職した年は所得割額を小さくして入れています。
| 例 | 住民税の所得割額(例) | 式で出る目安(例) |
|---|---|---|
| 通年で働いた年 | 12万円 | 約3万2千円 |
| 年の半ばで退職した年 | 6万円 | 約1万7千円 |
式は「所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円」です。12万円の例は、12万円×0.2=2万4,000円を、0.9−0.1×1.021=0.7979で割って約3万円、そこへ2,000円を足しています。所得割額が半分なら、目安もおよそ半分に近づきます。
実際の所得割額や所得税率は人によって違うので、この表の金額を自分の上限として使うことはできません。
寄附はいつするとよいか
収入が確定してから寄附するほうが、見込みのずれは小さくなります。自治体の案内にも、収入が確定する前に寄附するなら、シミュレーションの上限額より少し余裕をみた金額も考えに入れるように、という趣旨の説明があります。
- 退職の日が決まっているなら、その日までの給与の合計を、その年の収入の見込みにする
- 寄附する時期は、年内の給与の額が確定する12月に近いほど、見込みが当たりやすい
- 迷うときは、少なめの寄附で止める
少なめにする考え方は上限ぎりぎりを避けて少なめにする、見る欄は源泉徴収票のどこを見るかに載せています。
退職金が上限の計算にどう入るかは、このページでは言い切りません。退職金には給与とは別の扱いになる税金があるので、お住まいの市区町村の案内で確かめてください。
退職後の手続きとのつながり
退職した年に再就職しないと、勤め先による年末調整がありません。国税庁は、納め過ぎの所得税は翌年の確定申告(還付申告)で戻せると案内しています。ふるさと納税も同じ申告に書きます。
申告をするとワンストップ特例は使えないので、ワンストップを申請した分も含めて確定申告に書きます。年末調整がないときの分かれ道は退職して年末調整がないときの確定申告で説明しています。同じ年に再就職して前の給与も含めて年末調整を受けたときは、この申告は不要になることがあります。
ワンストップ特例の期限は、2027年1月10日(日)です。詳しくは1月10日に間に合わないときにあります。
よくある質問
退職後に失業手当を受けています。上限に入りますか?
失業手当は、上限の計算に使う所得には入りません。くわしくは失業手当を受けている年で説明しています。
年内に再就職しました。上限はどう考えますか?
前の会社と今の会社の給与を合わせた1年分が基準になります。見込みの出し方は転職した年の上限額の考え方にあります。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月5日。出典:総務省「税金の控除について」、国税庁 タックスアンサー No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」、国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」、姫路市「退職後も住民税がかかるのはなぜですか」、北海道上川町「ふるさと納税の控除上限額について」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。