住民税決定通知書でふるさと納税の上限額を計算する方法
- 見る欄は、通知書の「所得割額」です。市町村分と道府県分が別々に書かれているので、2つを足した額が式に入れる所得割額になります。
- 上限額の目安は「所得割額×20% ÷(90%-所得税率×1.021)+2,000円」です。所得税率は源泉徴収票から決めます。
- 通知書の書式は市区町村ごとに違います。欄が見つからないときは、市区町村の税務窓口に聞いてください。
どの通知書を見るか
給与から住民税が天引きされている人は、勤め先を通じて受け取る「特別徴収税額の決定・変更通知書」を見ます。
| 住民税の払い方 | 見る書類 |
|---|---|
| 給与から天引き(特別徴収) | 特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用) |
| 納付書や口座振替で自分で払う(普通徴収) | 市区町村から届く納税通知書。書式は自治体で違うので、欄名はその自治体の案内で確かめる |
特別徴収の通知書は、市区町村が例年5月末日までに勤め先へ送ります(相模原市の案内)。その年の6月から翌年5月までの住民税が書かれています。
通知書の欄の見分け方
総務省が定めた標準の様式では、欄に番号がついています。主な欄と、上限の計算で使うかどうかは次のとおりです。
| 欄 | 内容 | 上限の計算 |
|---|---|---|
| 総所得金額①、所得控除合計② | 所得と控除の金額 | 使わない |
| 税額控除前所得割額④ | 税額控除を引く前の所得割 | 幅の上側の目安 |
| 税額控除額⑤ | 調整控除、配当控除、住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)、寄附金税額控除などを合わせた額(標準様式の注記) | 使わない |
| 所得割額⑥ | 税額控除を引いたあとの所得割額 | 使う(市町村分+道府県分) |
| 均等割額⑦、森林環境税額⑧ | 所得にかかわらずかかる額 | 使わない |
丸数字は標準様式のもので、実物の並びや名前は自治体で少し違うことがあります。「所得割額」という文字がある欄を探してください。
市町村分と道府県分の割合は、自治体で違います。川崎市の計算例では、市が8%、県が2.025%でした。
特例分の限度は「調整控除後の所得割額」の20%です(川崎市・天理市の計算例)。標準様式では⑤に調整控除のほか住宅ローン控除や寄附金税額控除も入るので、⑥は限度の基準より小さく、少なめの目安になります。④は調整控除を引く前の額なので、少し大きめの目安です。
仮の数字の計算例
次は流れを見るための例です。所得割額を市町村分36万円、道府県分24万円、所得税率を20%と仮定していて、実在の人の税額ではありません。
| 手順 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 所得割額(合計) | 360,000円+240,000円 | 600,000円 |
| 特例分の限度 | 600,000円×20% | 120,000円 |
| 割る数 | 90%-20%×1.021 | 69.58% |
| 上限の目安 | 120,000円÷0.6958+2,000円 | 約174,463円 |
検算は、(174,463円-2,000円)に「90%-20.42%」をかけます。約120,000円になり、特例分の限度と一致します。
所得税率が20%という仮定は、課税総所得金額が330万円以上695万円未満の区分にあたります。所得割額60万円なら、税率10%で割り戻した課税総所得金額は約600万円で、この区分に収まっています。
前年の寄附や控除があるとき
前の年にもふるさと納税をした人は、⑥の所得割額が、その寄附金税額控除を引いたあとの額になっています(標準様式では⑤に寄附金税額控除が入ります)。特例分の限度は寄附金税額控除を引く前の所得割額で決まるので、⑥をそのまま使うと上限は小さめに出ます。寄附金税額控除の額が分かる場合は、⑥に足し戻すと目安が近づきます。内訳が通知書で分からないときは、市区町村の税務窓口で確かめてください。
- 前年と今年で所得が違うとき:通知書は前年の所得で決まった額です。転職や退職の年は転職した年や退職した年を見てください。
- 住宅ローン控除があるとき:住宅ローン控除などの税額控除を受けていると、⑥の額は小さくなります。住宅ローン控除の記事で確かめられます。
- 寄附する年は、所得がまだ確定していないとき:川崎市も、通知書の額は目安として見るよう案内しています。
よくある質問
通知書が手元にありません。
勤め先か、お住まいの市区町村の税務窓口に問い合わせます。すぐに見つからないときは、給与明細の住民税から目安を出す方法があります。
所得税率は、通知書から分かりますか?
通知書には所得税率の欄がありません。源泉徴収票の2つの欄から決めます。手順は源泉徴収票のどこを見るかに書きました。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月5日。出典:総務省「特別徴収税額の決定・変更通知書」第三号様式別表、川崎市「寄附金税額控除の計算方法(令和8年度以降)」、川崎市「ふるさと納税の上限額」の案内、天理市「寄付金税額控除の計算方法」、前橋市「ふるさと納税 控除上限額の目安」、相模原市「個人住民税における特別徴収について」、総務省「税金の控除について」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。