住民税決定通知書でふるさと納税の上限額を計算する方法

どの通知書を見るか

給与から住民税が天引きされている人は、勤め先を通じて受け取る「特別徴収税額の決定・変更通知書」を見ます。

住民税の払い方見る書類
給与から天引き(特別徴収)特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)
納付書や口座振替で自分で払う(普通徴収)市区町村から届く納税通知書。書式は自治体で違うので、欄名はその自治体の案内で確かめる

特別徴収の通知書は、市区町村が例年5月末日までに勤め先へ送ります(相模原市の案内)。その年の6月から翌年5月までの住民税が書かれています。

通知書の欄の見分け方

総務省が定めた標準の様式では、欄に番号がついています。主な欄と、上限の計算で使うかどうかは次のとおりです。

欄内容上限の計算
総所得金額①、所得控除合計②所得と控除の金額使わない
税額控除前所得割額④税額控除を引く前の所得割幅の上側の目安
税額控除額⑤調整控除、配当控除、住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)、寄附金税額控除などを合わせた額(標準様式の注記)使わない
所得割額⑥税額控除を引いたあとの所得割額使う(市町村分+道府県分)
均等割額⑦、森林環境税額⑧所得にかかわらずかかる額使わない

丸数字は標準様式のもので、実物の並びや名前は自治体で少し違うことがあります。「所得割額」という文字がある欄を探してください。

市町村分と道府県分の割合は、自治体で違います。川崎市の計算例では、市が8%、県が2.025%でした。

特例分の限度は「調整控除後の所得割額」の20%です(川崎市・天理市の計算例)。標準様式では⑤に調整控除のほか住宅ローン控除や寄附金税額控除も入るので、⑥は限度の基準より小さく、少なめの目安になります。④は調整控除を引く前の額なので、少し大きめの目安です。

仮の数字の計算例

次は流れを見るための例です。所得割額を市町村分36万円、道府県分24万円、所得税率を20%と仮定していて、実在の人の税額ではありません。

手順計算結果
所得割額(合計)360,000円+240,000円600,000円
特例分の限度600,000円×20%120,000円
割る数90%-20%×1.02169.58%
上限の目安120,000円÷0.6958+2,000円約174,463円

検算は、(174,463円-2,000円)に「90%-20.42%」をかけます。約120,000円になり、特例分の限度と一致します。

所得税率が20%という仮定は、課税総所得金額が330万円以上695万円未満の区分にあたります。所得割額60万円なら、税率10%で割り戻した課税総所得金額は約600万円で、この区分に収まっています。

前年の寄附や控除があるとき

前の年にもふるさと納税をした人は、⑥の所得割額が、その寄附金税額控除を引いたあとの額になっています(標準様式では⑤に寄附金税額控除が入ります)。特例分の限度は寄附金税額控除を引く前の所得割額で決まるので、⑥をそのまま使うと上限は小さめに出ます。寄附金税額控除の額が分かる場合は、⑥に足し戻すと目安が近づきます。内訳が通知書で分からないときは、市区町村の税務窓口で確かめてください。

よくある質問

通知書が手元にありません。

勤め先か、お住まいの市区町村の税務窓口に問い合わせます。すぐに見つからないときは、給与明細の住民税から目安を出す方法があります。

所得税率は、通知書から分かりますか?

通知書には所得税率の欄がありません。源泉徴収票の2つの欄から決めます。手順は源泉徴収票のどこを見るかに書きました。

自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。

ワンストップか確定申告か判定する

確認日:2026年11月5日。出典:総務省「特別徴収税額の決定・変更通知書」第三号様式別表、川崎市「寄附金税額控除の計算方法(令和8年度以降)」、川崎市「ふるさと納税の上限額」の案内、天理市「寄付金税額控除の計算方法」、前橋市「ふるさと納税 控除上限額の目安」、相模原市「個人住民税における特別徴収について」、総務省「税金の控除について」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。