退職後の住民税は普通徴収になる?ふるさと納税の控除は
- 退職すると、給与から天引きされていた住民税の残りは、一括で天引きされるか、自分で納める(普通徴収)形に変わります。どちらになるかは退職日で分かれます。
- ふるさと納税の控除は、退職しても消えません。ただし効くのは翌年6月からの税額で、いま残っている分には入っていません。
- 再就職しないまま6月を迎えると、納税通知書が自宅に届きます。「寄附金税額控除」の欄で確かめます。
退職日で変わる住民税の扱い
退職日が6月から12月なら、本人が申し出れば一括徴収、申し出なければ普通徴収です。翌年1月から4月なら、一括徴収が原則です。この分け方は地方税法(第321条の5)で決まっています。次の表は、法律の定めと横浜市・相模原市の案内をまとめたものです。
| 退職した時期 | 残りの住民税の扱い |
|---|---|
| 6月〜12月 | 「普通徴収」か「一括徴収(本人が申し出る)」に切り替える |
| 翌年1月〜4月 | 「一括徴収」に切り替える。本人の申し出はいらない。ただし法律では、5月31日までに支払われる給与や退職手当等が残りの額より多い場合に限られる |
| 5月 | 法律で切り替えの対象になるのは退職した月の翌月以降の分で、年度の天引きは5月分が最後のため、ふつうは残りが出ない。横浜市のページには書かれていないので、気になるときは市区町村に確かめる |
普通徴収は、市区町村から届く納付書で自分で納めます。一括徴収は、勤め先が最後の給与などから残りをまとめて天引きして納めます。すぐに再就職して、新しい勤め先で天引きを続ける形もあります(広島市・相模原市の案内)。
ここで切り替わるのは、いま納めている年度の「未徴収分」です。たとえば2026年6月から12月に退職した人の場合、2026年6月から2027年5月までの令和8年度分が対象です(2026年1月から5月に退職した人は、その前の令和7年度分)。2026年に寄附した分の控除は次の令和9年度分に入るので、この残りの額には関係しません。
控除はどの税額に入るのか
ふるさと納税の控除は、寄附の翌年度の住民税から引かれます。広島市は「翌年度分の個人住民税の所得割額から控除されます」と案内しています。退職の前後で、効く年度は次のように分かれます。
| 税額 | 期間 | 2026年の寄附の控除 |
|---|---|---|
| 令和8年度分(退職で未徴収分が切り替わる) | 2026年6月〜2027年5月 | 入らない(2025年の寄附の分) |
| 令和9年度分 | 2027年6月〜2028年5月 | 入る |
令和9年度分の住民税は、退職した2026年の所得をもとに決まります。退職の翌年に収入がなくても、請求は届きます。退職した年は収入が少なく、上限も下がるため、寄附の額には気をつけてください。考え方は退職した年の上限額に書きました。
年内に再就職しなかった人は、年末調整がありません。還付申告をするなら、ふるさと納税もワンストップ特例ではなく確定申告で申告します。手続きの分かれ道は退職して年末調整がないときの確定申告にあります。
日付の例
次は、2026年10月末に退職して、そのまま再就職しなかった人の例です。日付は考え方を見るための例で、実際の人のものではありません。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2026年10月31日 | 退職する。令和8年度の残り(11月分〜2027年5月分)は、普通徴収に切り替わる。本人が申し出れば一括徴収にもできる |
| 2026年12月 | ふるさと納税の寄附をする |
| 2027年1月1日以降 | 還付申告ができる。ふるさと納税は確定申告で申告する |
| 2027年6月ごろ | 令和9年度の納税通知書が自宅に届く(中央区の例では6月中旬)。寄附の控除が入った額になる |
| 2027年6月・8月・10月、2028年1月 | 普通徴収の4回の納期(中央区の例。納期限は各月の末日) |
2027年の途中で再就職したときは、まだ納期が来ていない分を自分で払う形から、給与天引きへ切り替えられます。ただし、納期が過ぎた分は切り替えられません(相模原市の案内)。
普通徴収の通知書で確かめること
自分で納める人は、市区町村から届く納税通知書で控除を確かめます。中央区は、普通徴収の人は「納税変更・決定通知」の「寄附金税額控除」と示された欄に、控除額が書かれると案内しています。
- 6月ごろ届く納税通知書を開く
- 「寄附金税額控除」の欄に、控除額が書かれているかを見る
- 書かれていなければ、市区町村の税務窓口に問い合わせる
- 納付書の4回分を、納期限までに納める(まだ来ていない納期の分もまとめて納められる、と中央区は案内しています)
通知書の見方は住民税の決定通知書でふるさと納税を確かめる方法にまとめました。控除がいつからいつまで効くかは、住民税はいつから安くなるかで確かめられます。
よくある質問
普通徴収になると、ふるさと納税の控除は受けられないのですか?
受けられます。控除は住民税の所得割額から引かれる仕組みで、給与天引きか自分で納めるかには関係しません。控除を確かめるときは、自宅に届く納税通知書を見ます。
納付書を払い忘れたらどうなりますか?
払い忘れたあとの扱いは市区町村で違います。納税通知書の案内を読み、分からないときや払えないときは、早めに税務窓口へ相談してください。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月6日。出典:横浜市「退職者の住民税の切替方法」(よくある質問)、相模原市「個人住民税の納め方」、相模原市「個人住民税における特別徴収について」、中央区「住民税の納め方」、中央区「ふるさと納税の税額控除の適用」、広島市「ふるさと納税(寄附金税額控除)」、広島市「給与からの引き落とし(特別徴収)よくある質問と回答」、e-Gov法令検索「地方税法」(第321条の5 退職時の一括徴収)、総務省「個人住民税」、国税庁 タックスアンサー No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」、国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」。退職日ごとの扱い、納期、通知書の名前は市区町村の例で、お住まいの自治体では違うことがあります。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。