ふるさと納税で均等割と森林環境税は減る?
- 均等割は減りません。ふるさと納税の控除は住民税の「所得割」から引く仕組みで、名古屋市は「均等割額からは控除できません」と案内しています。
- 森林環境税(年1,000円)は、均等割と一緒に集められる国税です。地方税法は、ふるさと納税の控除(寄附金税額控除)を住民税の所得割の額から引くと定めているので、これも寄附では変わりません。
- 均等割の額は自治体で違います。標準は市区町村3,000円と都道府県1,000円で、上乗せのある自治体もあります。
住民税の3つの部分と、控除の対象
住民税の請求額は、所得で変わる所得割と、定額の均等割、森林環境税を合わせたものです。ふるさと納税で引かれるのは、このうち所得割だけです。
| 部分 | 決まり方 | ふるさと納税の控除 |
|---|---|---|
| 所得割 | 前の年の所得から所得控除を引いた額に、税率(標準は合計10%)をかけ、税額控除を引く | ここから引かれる |
| 均等割 | 所得によらない定額 | 引かれない |
| 森林環境税 | 国税。均等割と併せて年1,000円(2024年度から) | 引かれない(住民税とは別の国税で、控除は住民税の所得割から引くため) |
地方税法では、市町村民税の寄附金税額控除(第314条の7)について、控除額を「所得割の額から控除する」と定めています(道府県民税の第37条の2も同じ形です)。
総務省は、住民税の控除は寄附額から2,000円を引いた額をもとに計算し、特例分には所得割額の20%という限度があると説明しています。式の全体は上限額の計算式にあります。
名古屋市の案内には、寄附金税額控除は調整控除のあとの所得割額から引く税額控除のひとつで、「均等割額、退職所得の分離課税による所得割額からは控除できません」とあります。
減る額と減らない額の例
次は流れを見るための例です。所得割を295,000円、均等割を4,000円、森林環境税を1,000円と仮定します。ワンストップ特例で、所得税率10%、上限の範囲内の5万円を寄附した場合です。実在の人の税額ではありません。
| 部分 | 寄附なし | 寄附あり |
|---|---|---|
| 所得割 | 295,000円 | 247,000円 |
| 均等割 | 4,000円 | 4,000円 |
| 森林環境税 | 1,000円 | 1,000円 |
| 合計 | 300,000円 | 252,000円 |
所得割から引かれた48,000円は、寄附の5万円から2,000円を引いた額です。ワンストップ特例では、所得税の分も含めて住民税から引かれます。均等割と森林環境税の5,000円は、寄附をしても変わりません。
通知書に均等割と森林環境税が残っていても、控除の間違いではありません。この2つは、もともと寄附では引かれません。寄附をしたのに請求がゼロにならないときは、所得割の欄が小さくなっているかを見てください。
均等割と森林環境税の額
標準の額は、均等割が市区町村3,000円と都道府県1,000円、森林環境税が1,000円です。これに自治体が独自の上乗せをしている場合があります。
| 自治体の例 | 内訳 |
|---|---|
| 標準(総務省の案内) | 均等割 4,000円(市区町村3,000円+道府県1,000円)、森林環境税 1,000円 |
| 東京都大田区 | 区民税3,000円、都民税1,000円、森林環境税1,000円(合計5,000円) |
| 広島市 | 市民税3,000円、県民税1,500円、森林環境税1,000円(合計5,500円)。県民税のうち500円は「ひろしまの森づくり県民税」で、令和8年度分まで(2026年11月6日時点の広島市の案内) |
| 横浜市 | 市民税の均等割に、横浜みどり税として年900円が上乗せ(令和10年度まで) |
2023年度までは、東日本大震災からの復興を目的とした臨時の措置として、均等割に合わせて1,000円が上乗せされていました。この上乗せは終わり、2024年度から森林環境税が始まりました。大田区は、均等割と森林環境税を合わせた総額は5,000円で、以前と変わらないと説明しています。
所得が低い人には、均等割がかからないことがあります。広島市の例では、給与収入だけの場合、年収110万円以下が目安です(令和9年度分は119万円以下)。基準は市区町村で違います。
通知書でどこを見るか
総務省の標準の通知書には、所得割額のほかに、均等割額と森林環境税額の欄があります。ふるさと納税の控除を確かめるときは、均等割額と森林環境税額の欄は使わず、所得割額の欄と摘要欄を見ます。欄の見分け方は住民税決定通知書から上限を計算する方法で表にしました。
控除が入っているかの確かめ方は住民税の決定通知書でふるさと納税を確かめる方法にまとめています。
よくある質問
寄附を増やせば、住民税を0円にできますか?
できません。均等割と森林環境税が残るうえに、特例分は所得割額の20%が限度です(総務省)。上限をこえた寄附は、自己負担が2,000円より増えます。上限を超えたときで説明しています。
住民税がかからない人は、ふるさと納税の控除を受けられますか?
所得割もかからない人は、住民税から引く税額がないため、住民税の控除は効きません。ご自分の場合にどうなるかは、お住まいの市区町村に確かめてください。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月6日。出典:総務省「個人住民税」、総務省「森林環境税及び森林環境譲与税」、総務省「税金の控除について」、総務省「特別徴収税額の決定・変更通知書」様式、e-Gov法令検索「地方税法」(第314条の7 寄附金税額控除)、名古屋市「税額控除」、大田区「森林環境税等」、広島市「均等割(住民税)よくある質問と回答」、横浜市「横浜みどり税」の案内。この記事の金額は仮定の例で、実在の人の税額ではありません。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。