ふるさと納税の193万円の上限とは?2027年から高所得者に効く住民税の定額上限
- 2027年(令和9年)の寄附分から、住民税の特例控除額に193万円の定額上限がつきます。2026年の寄附には関係しません。
- 寄附の翌年度に住民税が減る仕組みなので、住民税に効くのは2028年度(令和10年度)からです。
- 上限が効くのは、総務省のモデルで給与収入が1億円を超える人です。ほとんどの人は、従来の「所得割額の20%」が先に上限になるため影響がありません。
何が変わるのか
住民税の「特例分」の控除に、所得割額の20%とは別に、金額の上限が加わります。
これまでの特例分は、所得割額の20%までと決まっていました。所得が高い人ほど所得割額が大きいので上限も大きくなり、決まった最高額はありませんでした。改正後は、次の表の金額と「所得割額の20%」のどちらか低いほうが上限です。
| 住所 | 道府県民税 | 市町村民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 指定都市以外 | 77万2,000円 | 115万8,000円 | 193万円 |
| 指定都市の区域内 | 38万6,000円 | 154万4,000円 | 193万円 |
指定都市に住んでいても、合計は同じ193万円です。変わるのは、道府県民税と市町村民税への振り分けだけです。
変わるのは住民税の特例分の上限だけです。寄附額に上限はなく、特例分が止まったあとも、住民税の基本分(10%)の控除は残ります。総務省の資料にも「基本分:変更なし」とあります。
いつの寄附から、いつの住民税に効くか
総務省の「地方税法等の一部を改正する法律の概要」では、定額上限は「令和9年寄附分から適用」とされています。2026年中の寄附は、従来のルールのままです。
| 寄附する年 | 特例分の上限 | 住民税が減る年度 |
|---|---|---|
| 2026年(令和8年) | 所得割額の20%(従来どおり) | 2027年度(令和9年度) |
| 2027年(令和9年) | 所得割額の20%と193万円の低いほう | 2028年度(令和10年度) |
右の列の年度は、住民税が前の年の寄附をもとに計算されることから当てはめたものです。総務省の現況調査でも、令和8年度の課税は令和7年中の寄附を対象にしています。
2026年10月に変わったほかの決まりは、2026年10月のふるさと納税の改正でなにが変わったかにまとめています。
どんな人に効くのか
特例分の20%が193万円に届く人だけが、この上限の対象です。
193万円を20%で割ると965万円です。住民税の所得割額が965万円を超えない人は、従来の20%が先に上限になります。総務省のモデル(独身または夫婦共働き、給与収入のみ)では、次のとおりです。
| 給与収入 | 特例控除額(上限なしの場合) | 2027年寄附分から | 全額控除される寄附額(改正前) |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 12万円 | 12万円 | 18万円 |
| 2,000万円 | 32万円 | 32万円 | 57万円 |
| 5,000万円 | 93万円 | 93万円 | 211万円 |
| 1億円 | 193万円 | 193万円 | 438万円 |
| 3億円 | 593万円 | 193万円 | 1,346万円 |
| 5億円 | 993万円 | 193万円 | 2,254万円 |
| 10億円 | 1,993万円 | 193万円 | 4,524万円 |
「2027年寄附分から」の列は、総務省の表に上限の193万円を当てはめたもので、ほかの列は総務省の表のとおりです。給与収入が1億円までの人は、表のとおり変わりません。
193万円という数字は、所得税率が45%の人の式からも確かめられます。特例分は「(寄附額-2,000円)×(90%-所得税率×1.021)」なので、193万円÷0.44055に2,000円を足すと、寄附額は約438万円です。総務省の資料が「給与収入1億円相当」としている438万円と合います。式の意味は上限額の計算式のページにあります。
表は総務省の独身または夫婦共働きのモデルで、住宅ローン控除などは考えていません。実際の所得割額や上限は人によって違います。ご自分の場合は、お住まいの市区町村や税務署で確かめてください。
上限を超えた寄附で何が起きるかは、上限額を超えたらどうなるかで数字の例を見られます。
よくある質問
193万円までしか寄附できなくなるのですか?
いいえ。寄附額そのものに上限はありません。上限がつくのは、住民税の特例分の控除額です。
高所得者への規制は、ほかにもありますか?
総務省の資料で高所得者向けの見直しとして挙がっているのは、この定額上限です。2025年12月19日の与党の税制改正大綱も、「高所得者について所得に応じて上限なく増える特例控除額」の見直しとして、これを挙げていました。
自分の所得割額は、どこで分かりますか?
住民税の決定通知書に載っています。見方は住民税決定通知書から上限を出す方法で説明しています。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月6日。出典:総務省「地方税法等の一部を改正する法律要綱」(第1の1(4))、総務省「地方税法等の一部を改正する法律の概要」、総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日、総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」、総務省「税金の控除について」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。