ふるさと納税のポータル手数料の問題とは?2026年の経緯
- 問題になっているのは、自治体がポータルサイト事業者に払う手数料の大きさです。総務省の資料では、令和6年度の支払いは1,656億円で、寄附の受入額(1兆2,728億円)の13%です。2026年7月の総務省の調査は、返礼品の調達費と送料を除いた支払いを、ポータル経由の寄附の11.5%(令和6年度・令和7年度とも)としています。
- 総務省が2026年5月22日に引き下げを要請したこと、総務大臣が9月15日に各社の回答を「ほぼゼロ回答」と述べたことは、報道で確かめられる内容です。国の公式な文書では確認できていません。
- 寄附する人の控除額は、手数料では変わりません。次の節目は、12月中旬の税制改正大綱です。
手数料の数字は2通りある
令和6年度(2024年度)の手数料は、資料によって数字が違います。次の表は、出どころごとに並べたものです。
| 出どころ | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和7年度実施)」(2025年7月31日)。募集に要した費用のうち、ポータルサイト運営事業者に支払った費用(2026年3月24日の総務省資料も同じ数字) | 1,656億円 | 受入額1兆2,728億円の13.0%(募集費用全体の28.1%) |
| 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」(2026年7月31日)の令和6年度の参考値。ポータルサイト運営事業者への支払いから、事業者を通して返礼品の事業者や運送事業者に渡る調達費・送料を除いた額 | 1,379億円 | ポータル経由の受入額の11.5% |
割合が違うのは、何で割ったかが違うためです。13%は受入額全体で割った割合、11.5%はポータルサイトを経由した受入額で割った割合です。共同通信の2026年5月26日配信の報道も、1,379億円を、ポータル経由の寄附1兆2,025億円の11.5%と伝えています。1,379億円の資料には、調達費と送料を除いた額だと書かれています。一方、1,656億円の資料には同じ区切りの説明がないため、2つの差の内訳は総務省の資料からは確かめられません。
同じ2026年7月31日の調査では、令和7年度(2025年度)の数字も出ています。ポータル経由の受入額は1兆2,947億円で、受入額1兆3,314億円の97.2%です。ポータルサイト運営事業者への支払総額は2,433億円(ポータル経由の受入額の18.8%)で、調達費と送料を除くと1,490億円(同11.5%)です。
記事や動画で「手数料は◯%」と見たら、金額と、何に対する割合かを見比べてください。数字が合わない理由が分かります。
2026年の経緯
日付と出来事を、確かさつきで並べます。「報道のみ」の行は、国の文書で確かめられていない内容です。
| 日付 | 出来事 | 確かさ |
|---|---|---|
| 2026年3月24日 | 総務省の資料に、手数料が受入額の13%に達していること、外部の事業者に払う手数料等を「できる限り縮減していく必要がある」ことが載る | 公式で確認 |
| 2026年5月22日 | 総務省が、ポータル事業者らの団体の会員企業に手数料の引き下げを要請。8月末までに対応方針の回答を求めた | 報道のみ |
| 2026年5月26日 | 総務大臣が会見で、自治体の負担軽減のため速やかに引き下げに取り組んでほしいと述べたと、共同通信が配信 | 報道のみ |
| 2026年7月31日 | 総務省が現況調査の結果を公表。令和7年度のポータルサイト運営事業者への支払いは、調達費と送料を除いて1,490億円、ポータル経由の受入額の11.5% | 公式で確認 |
| 2026年9月15日 | 総務大臣が閣議後の会見で、回答を「ほぼゼロ回答」と評価。基本手数料の引き下げを回答したのは1社のみ。寄附金を使える額の割合を引き上げるため、年末の税制改正に向けて具体的に検討する考えを示したと、通販通信(ECMO)が報道 | 報道のみ |
| 2026年10月1日 | 寄附金活用可能額の基準が始まる(2026年指定は52.5%) | 公式で確認 |
| 2026年12月中旬 | 令和9年度の税制改正大綱が出る予定(例年) | 未定 |
手数料を下げさせる、上限を設けるといった話が「決まった」と書かれていたら、出典を見てください。2026年11月6日時点で、国の決定として確認できたものはありません。
公式の資料で確かめられること
総務省の通知や資料で確かめられるのは、手数料そのものの規制ではなく、手数料を含む募集費用の扱いです。
- 募集費用の5割以下という基準をやめ、寄附額から募集費用を引いた「寄附金活用可能額」の割合を定めた(2026年指定は52.5%。2029年指定以降は60%)
- 総務省の資料は、各自治体にポータル事業者など外部の事業者へ払う手数料等を見直すよう求めている
- 1支払先あたり100万円以上の募集費用は、支払先・金額・目的を翌年度の9月30日までに自治体のサイトで公表する決まりになった
これらの全体像は、2026年10月の改正のまとめにあります。
寄附する人に関係すること
手数料は、自治体と事業者の契約で決まるお金です。寄附者の控除の式には出てきません。
- 控除の式は、寄附額から2,000円を引いた額が基になります。式は上限額の計算式のページにあります。
- 寄附先の自治体が募集費用をどれだけ使ったかは、100万円以上の支払いについて、その自治体のサイトで公表されます。支払先ごとの金額を見たい人は、自治体のサイトの「募集に要した費用」などの公表ページを探します。
- どのポータルがよい、悪いという評価は、当サイトではしません。
よくある質問
手数料が下がると、返礼品が増えますか?
確かめられる資料はありません。返礼品は寄附額の3割以下と決まっており、手数料の水準とは別のルールです。
次はいつ分かりますか?
次の節目は、12月中旬の税制改正大綱です。手数料に触れる記述があるかを確かめ、出たあとにこの記事を更新します。制度全体の見通しは廃止されるのかを整理した記事にあります。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月6日。出典:総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日、総務省 通知「ふるさと納税制度の適正な運用について」総税市第108号 令和8年9月25日、総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和7年度実施)」令和7年7月31日、総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」令和8年7月31日、通販通信ECMO(2026年9月15日)、共同通信(2026年5月26日配信、Yahoo!ニュース)。報道による点は、本文にそう書いています。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。