ふるさと納税の地場産品基準は何が厳しくなった?2026年10月からの見分け方
- 2026年10月1日から、区域外の原材料を使った返礼品が地場産品と認められる条件が変わりました。価値の過半が区域内の工程で生じたことを事業者が証明し、自治体が公表する形です。
- 見直しの中心は、告示第6条の第3号です。公表がない返礼品は、この型の返礼品として出せません。
- 寄附する人が証明する必要はありません。ポータルの掲載ページにある、区域内で行われた工程の説明を読み、見つからなければ自治体に問い合わせます。
地場産品と認められる型
総務省の告示は、返礼品が地場産品と認められる条件を、号ごとに分けて定めています。次の表は、総務省のQ&Aが取り上げている第2号から第7号について、「認められない例」を1つずつ並べたものです。
| 号 | 認められる条件 | 認められない例(総務省Q&A) |
|---|---|---|
| 第2号 | 区域内で、原材料の主要な部分が生産されたもの | 区域内産の牛乳を約1割だけ使い、区域外でつくったアイスクリーム |
| 第3号 | 区域内の製造・加工などの工程で、返礼品の価値の過半が生じたもの | 区域外から調達したブロック肉を、区域内で単に切ってパックに詰めた精肉 |
| 第4号 | 近隣の市区町村の産物と混ざることが、流通の仕組み上避けられないもの | 区域内産と区域外産を区別せず、全国の店舗で扱っているアイスクリーム |
| 第5号 | 自治体の広報のためにつくった、その自治体独自のグッズなど | 包装紙に自治体名が書いてあるだけの品 |
| 第6号 | 上の型の返礼品に附帯品を添え、返礼品の価値が全体の7割以上のもの | 区域外でつくったビールと、区域内で生産したタオルのセット |
| 第7号 | 区域内で提供され、その区域との関連が相当にある役務 | 全国各地で同じように提供されていて、地域との関連が薄い役務 |
表の例は、総務省のQ&Aに書かれた考え方の例です。個々の返礼品が基準に合うかどうかは、自治体が確認します。寄附する人がこの表で判定する必要はありません。
第3号で変わったこと
第3号は、区域外の原材料を使っていても、区域内の工程で返礼品の価値の過半が生まれていれば地場産品と認める型です。総務省は、この「過半」の算出方法に疑義のある事例が見られたため、算出方法を明確にし、証明の内容を公表させる形にしたと説明しています。
2026年10月1日からは、次の流れが必要です。
- 返礼品をつくる事業者が、原則として総務省の標準的な算出方法(価格をもとにした方法)で区域内の価値の割合を出し、0.5を超えることを証明します。
- 自治体が、証明の内容を、その返礼品の募集を始める日までに自治体のウェブサイトで公表します。
- ポータルサイトなどの掲載ページにも、この型にあたること、区域内で行った工程の詳しい内容を明記します。
公表がない返礼品は、第3号の返礼品として出せません。船橋市、佐倉市、宮城県が、事業者向けにそう案内しています。船橋市と宮城県は、納入価格を高くして割合を上げることも認められないと書いています。
「工程」に数えられないもの
第3号でいう工程は、実質的な変更を加える製造や加工のことです。総務省のQ&Aは、関税法施行規則で「実質的な変更を加える加工にあたらない」とされる例を踏まえ、次のものを挙げています。
- 輸送や保存のための乾燥、冷凍、塩水漬け
- 単なる切断
- 選別、仕分け、改装
- 瓶や箱などの容器に詰めること
- 製品や包装にマークやラベルを付けること
- 単なる混合
- 単なる部品の組立て、セットにすること
同じ区域外産の豚肉でも、区域内で切断から調理、袋詰めまで行う加工品は、Q&Aで認められる例になっています。一方、ブロック肉を切ってパックに詰めただけの精肉は、認められない例です。
食肉の熟成と玄米の精白には、さらに条件があります。この2つが区域内の工程の場合は、その自治体のある都道府県内で生産された原材料を使ったものに限られます。輸入した牛肉を区域内で熟成させたものや、県外で収穫した玄米を区域内で精白したものは認められません。無洗米加工は、精白に含まれます。
掲載ページで確かめること
寄附する人が確かめるのは、次の3点です。
- ポータルの返礼品ページで、地場産品の区分と、区域内で行われた工程の説明を探す
- 自治体のウェブサイトで、区域内で生じた価値の割合をまとめた一覧表を探す
- 見つからないときは、寄附先の自治体のふるさと納税の担当に問い合わせる
一覧表の置き場所は自治体ごとに違います。船橋市の例では、「ふるさと納税における各種公表資料」のページに、返礼品の区域内で生じた価値の割合の一覧表(PDF)と、募集費用の支払先の一覧表が並んでいます(2026年10月14日更新)。
基準を守る責任は自治体にあります。総務省の通知は、基準に合わないことが委託事業者のせいで起きた場合でも、自治体の責務だとしています。寄附する人が割合を計算したり、証明書を集めたりする必要はありません。
証明と公表が間に合わず、掲載が終わる返礼品もあります。理由の例は返礼品の掲載終了の記事にまとめました。2026年10月の改正の全体は、日付つきの一覧で見られます。
よくある質問
海外産のワインを区域内で熟成した返礼品は、どうなりますか?
総務省は2026年9月25日の通知で、区域内で一定期間貯蔵(熟成)した海外産ワインについて、すでに実態調査をしており、結果を踏まえて必要な対応を検討するとしています。2026年11月6日時点で、対応が決まったという公表は確認できていません。
返礼品の3割ルールとは別の話ですか?
別の基準です。3割は自治体の調達費用の基準で、地場産品は返礼品がその区域のものかどうかの基準です。3割の数え方は返礼品の3割ルールで説明しています。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月6日。出典:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」(総税市第33号 令和8年4月1日)別紙2 問22〜問32、総務省 通知「ふるさと納税制度の適正な運用について」(総税市第108号 令和8年9月25日)5、船橋市「ふるさと納税の指定基準改正について」、船橋市「ふるさと納税における各種公表資料」、佐倉市 返礼品事業者あて文書(令和8年6月17日)、宮城県「ふるさと納税返礼品の基準見直しによる書類提出のお願いについて」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。