ふるさと納税の返礼品3割ルールとは?何の3割か、超えるとどうなるか
- 3割ルールは、自治体が返礼品の調達に実際に支出した費用を、個々の寄附額の3割以下にする基準です。返礼品の市価の3割という意味ではありません。
- 返礼品ごとに満たす必要があり、一時期でも超えると認められません。物価が上がった場合も例外にはなりません。
- 2026年10月の見直しでも、この基準は変わっていません。変わったのは、費用の全体を見る基準や地場産品の基準です。
何を数える3割か
基準の式は「調達に要した費用 ÷ その寄附額 ≦ 30%」です。調達に要した費用は、返礼品の原価や仕入れ値、定価ではなく、自治体が現に支出した額で数えます。消費税と地方消費税も含めます。
どの費用がどう扱われるかは、総務省のQ&Aと通知に次のように書かれています。
| 費用の種類 | 3割の計算での扱い |
|---|---|
| 原価、仕入れ値、定価 | 基準にしない。自治体が現に支出した額で計算する |
| 消費税・地方消費税 | 支出した額に含める |
| 調達費用とは別に、「サービス向上費」「生産奨励金」などの名目で払う額 | 実質的に返礼品の調達に使われ、そのぶん数量が増えるなら、調達費用に含める(実費として支払う送料は除く) |
| 事業者への奨励金や補助金、自治体のプロモーション費用 | 同じく、実質的に調達に使われるなら含める |
| 複数の返礼品をまとめて調達した費用 | 数量や内容に応じて、個々の返礼品に按分する |
| あとで事業者に負担を求めるつもりの費用 | 自治体が一時的にでも支出していれば含める |
数字の例で見る
次の表は、考え方を見るための例です。必要寄附金額を10,000円とすると、調達費用の上限は3,000円(消費税を含む)になります。
| 場面 | 調達費用 | 寄附額に対する割合 | 判定 |
|---|---|---|---|
| はじめの設定 | 3,000円 | 30% | 満たす |
| 物価の上昇で調達費用が増えた | 3,200円 | 32% | 超えるので、そのままでは認められない |
| 対応1:数量や内容を減らす | 3,000円以下 | 30%以下 | 満たす |
| 対応2:必要寄附金額を10,667円以上にする | 3,200円 | 30%以下 | 満たす |
3,200円を3割以下に収める寄附額は、3,200÷0.3=10,666.7円なので、10,667円以上です。総務省は、調達費用が変わったときは数量の調整や必要寄附金額の変更で対応するよう、自治体に求めています。返礼品の内容量や必要寄附金額が変わる理由の1つは、この調整です。
期間の平均で3割以下なら足りる、という考え方は認められません。たとえば返礼割合が4割の期間と2割の期間があり、年間では3割以下になる場合も、4割の期間が基準に合いません。総務省のQ&Aは「一時期であっても、返礼割合が3割を超える返礼品等を提供することは認められない」としています。
似た基準との違い
指定の基準には、3割と混同しやすいものがほかに2つあります。次の表に並べました。
| 基準 | 見るもの | 2026年10月の変更 |
|---|---|---|
| 返礼品は3割以下 | 個々の返礼品の調達費用が、個々の寄附額の3割以下か | 変更なし |
| 寄附金活用可能額 | 返礼品代、送付、広報、決済、事務などを含む募集費用の全体を引いた残りが、寄附の合計の一定割合以上か | 5割の基準にかわって導入。詳しくは経費5割ルールの記事 |
| 地場産品 | 返礼品がその区域のものか | 第3号を見直し。詳しくは地場産品の基準の記事 |
返礼品代は、募集費用の一部です。令和6年度の全国の実績では、寄附受入額に対して、返礼品が25.2%、送付・広報・決済が8.0%、事務費等が13.2%でした。3割は個々の返礼品ごとの上限で、全国の合計では返礼品代が25.2%に収まっていました。2026年10月の改正の全体は、日付つきの一覧にあります。
超えるとどうなるか
3割の基準は、自治体に向けたルールです。基準に合わなくなったと認められると、特段の事情がない限り、総務大臣が自治体の指定を取り消します。取消しになると、最大3年を経過する日まで指定を受けられません。
2026年3月24日の総務省の資料では、返礼割合の違反で指定を取り消された自治体は5団体で、確認された違反の最大の割合は35.4%から85%までありました。
3割は自治体が支出した額の基準なので、返礼品の市価や定価を知る手がかりにはなりません。返礼品を比べるときは、掲載ページの内容量や必要寄附金額を見てください。
よくある質問
送料は3割に入りますか?
実費として支払う送料は、前の表のとおり、名目を変えた上乗せの扱いから除かれています。返礼品の送付にかかる費用は、募集費用の側で数えます。ただし、送料の名目で払った額が返礼品の調達に回り、数量が増えるなら、調達費用に含まれます。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月6日。出典:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」(総税市第33号 令和8年4月1日)別紙2 問16、問18〜問21、総務省 通知「ふるさと納税制度の適正な運用について」(総税市第108号 令和8年9月25日)4・6、総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(令和8年3月24日)。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。