パートで扶養内のとき、ふるさと納税の上限はどうなる
- 上限は、寄附をした本人の住民税の所得割で決まります。夫の扶養に入っていても、夫の税金を使うことはできません。パートの収入が小さければ、上限も小さくなります。
- 住民税がかからない収入のときは引かれる税金がないので、ふるさと納税をしても軽くなる分がありません。2026年の収入では、神戸市と大阪市の案内で、単身の給与収入が119万円以下がその目安です。
- 「103万円の壁」は、2024年分までの基準です。いまの数字は、下の表で年ごとに確かめてください。
上限は誰の税金で決まるか
ふるさと納税の控除は、寄附をした人の所得税と住民税から引かれます。上限の元になるのは、寄附をした人自身の住民税の所得割額の20%です(式は上限額の計算式で説明しています)。
夫の扶養に入っているかどうかは、夫の税金(配偶者控除など)の話です。妻の名義で寄附をするなら、上限の元になるのは妻の所得割で、夫の所得割は関係しません。名義とカードの組み合わせは配偶者名義の寄附や夫のカードで妻が寄付するときで説明しています。
| やること | 上限の元になる税金 |
|---|---|
| 妻の名義で寄附する | 妻の住民税の所得割 |
| 夫の名義で寄附する | 夫の住民税の所得割 |
税の年収の壁(2025年分と2026年分)
2025年分から基礎控除と給与所得控除が見直され、壁の数字が動きました。給与だけの収入の場合、国税庁と市の案内は次のとおりです。
| 何の壁か | 2024年分まで | 2025年分 | 2026年分 |
|---|---|---|---|
| 夫の配偶者控除の対象になる妻の給与収入(所得税) | 103万円以下 | 123万円以下 | 136万円以下 |
| 夫の配偶者控除などの対象になる妻の給与収入(住民税) | 103万円以下 | 123万円以下(2026年度分) | 136万円以下(2027年度分) |
| 妻本人の住民税がかからない給与収入(単身・扶養なし) | 100万円以下 | 110万円以下(2026年度分) | 119万円以下(2027年度分) |
- 配偶者控除は、国税庁の案内で、配偶者の合計所得金額が2025年分は58万円以下(給与収入123万円以下)、2026年分は62万円以下(給与収入136万円以下)です。2024年分以前は48万円以下(給与収入103万円以下)でした。
- 住民税の2027年度分は、2026年中の収入で決まります。給与所得控除の最低保障額に、2027年度と2028年度だけの5万円の加算があるため、非課税の目安が119万円になっています。2029年度以降は114万円と案内されています(大阪市)。
- 住民税の壁の数字は、市区町村で違うことがあります。ここでは、神戸市と大阪市の案内を例にしています。お住まいの市区町村の案内で確かめてください。
社会保険の「106万円」「130万円」の壁は、税の壁とは別の仕組みです。この記事では、その数字を確かめていません。勤め先か年金事務所の案内で確かめてください。
収入のラインごとに何が起きるか
ふるさと納税の上限に関わるのは、妻本人に住民税の所得割がかかるかどうかです。夫の配偶者控除の壁は、夫の税金の話なので、妻の上限には直接関わりません。
| 妻の収入(給与のみ・2026年) | 妻の住民税 | ふるさと納税への影響 |
|---|---|---|
| 119万円以下 | かからない(神戸市・大阪市の案内) | 引かれる税金がなく、控除の効果は出ない |
| 119万円をこえる | 所得割がかかる | 上限が出る。収入が小さいうちは上限も小さい |
| 136万円をこえる | 所得割がかかる | 夫の配偶者控除の対象から外れるが、妻の上限とは別の話 |
住民税がかからない人は、引かれる元の税額がないので、寄附額がそのまま負担になります。非課税の年に寄附するかどうかは、返礼品を受け取りたいかどうかで考えることになります。
収入の変わり目の年は、前の年の通知書の数字が使えません。パートの収入が増えた年は、前の年の所得割が小さいか、ゼロです。今年の見込みの収入で考えてください。
小さい上限の計算の例
上限の式に数字を入れた、仕組みを見るための例です。あなたの上限額ではありません。
例として、住民税の所得割額が12,000円で、所得税はかからない(所得税率0%)とします。上限は、所得割額の20%を、90%から所得税率に1.021をかけた数を引いた数で割り、2,000円を足した額です。
| 手順 | 計算 |
|---|---|
| 所得割額の20% | 12,000円 × 20% = 2,400円 |
| 割る数 | 0.9 − 0 × 1.021 = 0.9 |
| 上限の目安 | 2,400円 ÷ 0.9 + 2,000円 = 約4,700円 |
この例では、自己負担の2,000円が上限の4割ほどを占めます。収入が小さいと、控除で軽くなる額も小さくなります。
実際の所得割額は、住民税の通知書で確かめます。目安は各ポータルのシミュレーションで出せますが、最後は源泉徴収票と通知書で確かめてください。
よくある質問
夫の扶養に入っていると、ワンストップ特例は使えませんか。
扶養に入っているかどうかは関係ありません。確定申告がいらない給与所得者で、寄附先が5団体以内なら使えます。自分がどちらになるかは判定の道具で確かめられます。
103万円を超えたら、ふるさと納税はできなくなりますか。
できます。103万円は、2024年分までの配偶者控除の基準です。ふるさと納税の可否とは関係がなく、上限が決まる仕組みも別です。
夫の控除が変わると、妻の上限も変わりますか。
変わりません。夫の配偶者控除は、夫の所得割を変えます。妻の上限は、妻の所得割で決まります。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月5日。出典:国税庁 タックスアンサー No.1191「配偶者控除」、国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」、大阪市「令和9年度から実施される市民税・府民税の税制改正について」、神戸市「2027年度(令和9年度)からの住民税の主な改正内容」、北九州市「年収の壁の見直し」、総務省「税金の控除について」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。