ふるさと納税とFX・暗号資産の利益:確定申告はどうなる?

FXと暗号資産は課税のしかたが違う

FXと暗号資産は、同じ「投資の利益」でも、所得税の扱いが違います。国税庁の案内をもとにまとめると、次の表のとおりです。

FX(国内の業者を通した取引)暗号資産
所得の区分先物取引に係る雑所得等原則として雑所得
課税のしかた申告分離課税(ほかの所得と分けて計算)総合課税(ほかの所得と合計)
税率所得税15%、地方税5%所得の合計額に応じた累進税率

FXでも、金融商品取引法上の市場デリバティブ取引や店頭デリバティブ取引に当たらない取引は、原則として雑所得で総合課税になります。どちらに当たるかは、利用している業者の案内か税務署で確かめてください。

利益の大きさで見る分かれ道

次の表は、給与を1か所から受けている会社員が、FXや暗号資産で利益を得た年の分かれ道です。ほかの所得を合わせて見ます。

その年の利益(ほかの所得との合計)確定申告ふるさと納税の手続き
20万円以下(例:利益が18万円)不要ワンストップ特例を使える場合がある(寄附先は5団体以内)
20万円を超える(例:利益が25万円)必要ワンストップは使えない。寄附をすべて確定申告で申告する
給与を2か所以上から受けている年末調整されなかった給与とほかの所得の合計が20万円を超えると必要超えたら確定申告で寄附を申告する

ここでいう利益は、収入から取得費や経費を引いた「所得金額」です。売ったお金の総額ではありません。

ワンストップ特例を出したあとで、利益が20万円を超えて確定申告をすると、特例は無効になります。年末に利益の見込みが立ったら、ワンストップの申請書を出す前に確定申告に切りかえるか考えてください。流れは出したのに確定申告をした場合に書いています。

利益が20万円以下でも、住民税の申告が必要になる場合があります。国税庁のタックスアンサーにも、所得税の申告が不要な場合の住民税についての注記があるので、迷うときは市区町村の窓口に確かめてください。

損失が出た年はどうなる?

損失が出た年でも、確定申告をすればワンストップ特例は使えなくなります。FXと暗号資産では、損失の扱いも違います。

FX(分離課税の対象)暗号資産
ほかの所得との通算できない(同じ「先物取引に係る雑所得等」どうしは通算できる)他の雑所得の範囲内でのみ通算できる
翌年以降への繰越一定の要件で翌年以後3年内の先物取引に係る雑所得等から控除できる国税庁の案内に繰越の記載は確認できなかった

FXの損失の繰越を受けるには、損失の出た年にも確定申告をする必要があります。繰越を使うなら、その年はワンストップを使えないと考えてください。

暗号資産の課税は変わることが決まった

令和8年3月31日に公布された所得税法等の改正で、暗号資産取引業者を通じた「特定暗号資産」の譲渡による所得は、20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税になることが決まりました。損失は翌年以後3年間の繰越もできるようになります(国税庁「令和8年度 税制改正のあらまし」)。

適用が始まるのは、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」の施行日が属する年の翌年1月1日からです。この改正法は2026年7月15日に成立しています(金融庁)。ただし、施行日そのものは、この記事を書いた時点で確かめられていません。何年分から変わるかは、国税庁の発表で確かめてください。

2026年分の申告は、これまでどおりの扱い(原則として総合課税の雑所得)で考えます。改正法の施行が2026年中だったとしても、新しい扱いは早くて2027年1月1日以後の譲渡からです。

よくある質問

利益が出たら、ふるさと納税の上限額は変わりますか?

所得が増えると、住民税の所得割額も変わります。特例分の上限は、所得割額の2割が限度です。個別の上限額はこの記事では計算しません。

副業の収入と合算して見るのですか?

はい。20万円の判断は、給与・退職所得以外の所得金額の合計で見ます。副業については副業の雑所得で説明しています。申告書への書き方の入口はe-Taxのスマホ手順です。期限は1月10日に間に合わないときで確かめられます。

自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。

ワンストップか確定申告か判定する

確認日:2026年11月5日。出典:国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」、国税庁 No.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」、国税庁 No.1525「暗号資産交換業者から金銭の補償を受けた場合」、国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」(令和7年12月)、国税庁「個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の 令和8年度 税制改正のあらまし」(令和8年5月)、金融庁「国会提出法案等」、国税庁 No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」、国税庁 No.1600「公的年金等の課税関係」、国税庁「納期限・振替日一覧」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。