ワンストップ特例を出したのに確定申告をした場合

なぜ特例が無効になるのか

ワンストップ特例は、確定申告をしない人のための仕組みだからです。確定申告か住民税の申告をした時点で、その人は特例の対象から外れます。

総務省は、無効になる場合として、確定申告または住民税の申告をしたときを挙げています。申告書にふるさと納税を書いたかどうかは関係なく、医療費控除だけの申告でも同じです。

ワンストップの申請書を出してあっても、特例はもう無効になっています。確定申告の書類にふるさと納税を書かなければ、その寄附の控除は受けられません。

日付で見る流れ

次の表は、よくある順番を日付に置いた例です。この例の人は、会社員で、2026年に4つの自治体へ寄附しました。

日付したこと特例の状態
2026年12月寄附先4か所へワンストップの申請書を郵送する申請済み
2027年2月医療費控除のために確定申告をする無効になる
2027年3月15日(月)2026年分の確定申告の期限寄附4か所すべてを申告書に書く必要がある

この例では、2月の確定申告で、申請書を出した4か所分もまとめて申告書に書きます。ワンストップのまま住民税の控除を待つ、という選び方はできません。

まだ確定申告をしていない人は、いまの時点で確定申告が必要な理由が増えていないかを確かめてください。副業や医療費控除、住宅ローン控除の1年目などで確定申告をする人は、最初から寄附も確定申告にまとめるつもりで準備すると、あとで書き直さずに済みます。

確定申告でやること

無効になったと分かったら、次の順で確定申告の準備を進めます。

  1. 2026年にした寄附を、寄附先と金額で全部書き出す(ワンストップを申請した分も入れる)
  2. 各寄附先から届いた寄附金の証明の書類をそろえる
  3. 源泉徴収票を手元に用意する
  4. 確定申告書の「寄附金控除」の欄を、寄附の合計をもとに書く(書き方は国税庁のタックスアンサー No.1155 で確かめる)
  5. 住民税に関する事項の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」の欄に、ふるさと納税の寄附金額を書く
  6. 2027年3月15日(月)までに提出する

確定申告書は住民税の申告も兼ねています。東京都中央区は、この住民税の欄に書き漏れがあると、住民税で寄附金税額控除を適用できないと案内しています。5番の欄は忘れずに書きます。出したあとで書き漏れに気づいたら、お住まいの市区町村の住民税の担当に連絡します。

確定申告が必要な人に当たらず、還付を受けるための申告であれば、3月15日を過ぎても、翌年1月1日から5年間は出せます。2026年分なら、2027年1月1日からです。

ワンストップと確定申告で控除の入り方はどう変わる?

ワンストップ特例では、所得税の分も含めて、すべて翌年度の住民税から差し引かれます。所得税の還付はありません。

確定申告にすると、控除が所得税と住民税の2つに分かれて計算されます。所得税の分は、寄附額から2,000円を引いた額に所得税率をかけて求めます。住民税の分は、基本分と特例分に分かれます。計算の考え方は、国税庁と総務省のページに式が載っています。

ワンストップ特例確定申告
出す先寄附先の自治体税務署(e-Taxを含む)
所得税の還付ない所得税の控除として計算される
住民税の控除翌年度の住民税から全額翌年度の住民税から(基本分と特例分)
期限2027年1月10日(日)(必着の自治体が多い)2027年3月15日(月)

自分が確定申告にしないといけない条件に当たるかは、判定の道具で調べられます。ワンストップの期限そのものを確かめたいときは、1月10日に間に合わないときを読んでください。

よくある質問

出した申請書は取り下げないといけませんか?

確定申告をした時点で、特例は適用されません。取り下げの手続きが必要かどうかは自治体で案内が違うので、寄附先の案内で確かめてください。

確定申告で寄附の一部だけを書いてもよいですか?

ワンストップを申請した分も含めて、ふるさと納税の寄附は申告書に書きます。書かなかった分は、控除を受けられません。

自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。

ワンストップか確定申告か判定する

確認日:2026年11月5日。出典:総務省「ワンストップ特例を申請する皆様へ」、総務省「ふるさと納税ワンストップ特例の取扱いについて」、総務省「ふるさと納税の流れ」、国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」、国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」、東京都中央区「ふるさと納税の税額控除が適用されていないとき」、国税庁「納期限・振替日一覧」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。