ふるさと納税の使い道の公表義務とは?自治体の公表を確かめる手順

公表が求められる3つの情報

ふるさと納税の指定基準で自治体に公表が求められている情報は、2026年10月から3種類あります。名前が似ているので、まず違いを表で整理します。

公表するもの載せる内容公表の時期
寄附金活用可能額の使い道(新設)寄附額から募集費用を引いた額の使い道総務大臣の定めによる。3月の案では、決算を議会の認定に付したときに遅滞なく
募集費用の支払先の一覧1支払先あたり100万円以上の支払先・金額・目的翌年度の9月30日まで。令和7年度分は2026年9月30日まで
返礼品の区域内の価値の割合製造者が出した「価値の過半が区域内の工程で生じた」旨の証明返礼品を載せて募集を始める日まで

1行目の「寄附金活用可能額」は、寄附額から募集費用を引いた額のことです。この額は、令和8年指定では寄附額の52.5%以上と決められ、令和11年指定からは60%以上になります。割合の仕組みは2026年10月のふるさと納税の改正でなにが変わったかで説明しています。

使い道の公表の時期と書き方は、総務大臣の告示で決まります。当サイトで確かめられたのは、2026年3月24日時点の案までです。確定した告示の文言は、総務省の資料で確かめてください。

自治体の公表を確かめる手順

公表の場所は自治体ごとに違うので、同じ順で探すと見つけやすくなります。

  1. 寄附先の自治体の公式サイトを開く(ポータルサイトの寄附ページとは別のサイト)
  2. 「ふるさと納税」のページで、「寄附金の使い道」「活用状況」「活用事業の報告」「決算」を探す
  3. 同じページで「募集費用」「支払先に係る一覧表」を探してPDFを開く
  4. 返礼品の「区域内において生じた価値の割合」の一覧があれば、気になる返礼品が載っているかを見る
  5. 見つからなければ、自治体のふるさと納税の担当課に問い合わせる

公表ページの例を2つ挙げます。島根県は「ふるさと納税の募集費用の支払先に係る一覧表」を2026年9月30日付で更新し、岡山市は同じ9月30日に「ふるさと納税における各種一覧表の公表について」を掲載しています。どちらのページにも、新しい基準にもとづく使い道の公表は、確認した時点では載っていませんでした。

3月の案どおりなら、使い道の公表は、決算を議会の認定に付したとき(議会に出したとき)に行います。対象は指定期間の初日と末日が属する年度の使い道なので、2026年10月からの指定なら、最初の公表は令和8年度の決算を議会に出したあとです。いま見つからなくても、それだけで問題があるとは言えません。

使い道の選択や活用報告との違い

公表が義務になる前から、多くの自治体が、寄附者に使い道を選んでもらったり、活用状況を公表したりしていました。総務省の令和8年度の現況調査では、次の状況でした。

項目(令和7年度)団体数割合
募集の際に使い道を選べる1,749団体98.2%
うち、具体的な事業を選べる586団体32.9%
受入額の実績と活用状況の両方を公表している1,521団体85.4%
寄附者に事業の進み具合や成果を報告している923団体51.8%

表の割合は、全指定団体を分母にしたものです。この調査の項目は、義務化より前の取組の状況です。寄附のときに選ぶ「使い道」と、自治体が決算をふまえて公表する「使い道」は別のものです。

よくある質問

ポータルサイトに使い道が書いてあれば、公表したことになりますか?

2026年11月6日時点では確かめられませんでした。3月の案は、自治体のウェブサイトに掲載する形でした。ポータルの記載が公表に当たるかは、総務省の確定した告示で確かめてください。

公表していない自治体に寄附すると、控除は受けられませんか?

使い道の公表は、指定を受けるための基準の1つです。いま指定を受けている自治体への寄附は、ふるさと納税の対象です。指定が取り消された自治体や、指定を受けていない自治体への寄附は、ふるさと納税の対象になりません。指定されているかどうかは、指定が取り消された自治体に寄附したときのページにある手順で調べられます。

確認日:2026年11月6日。出典:総務省「ふるさと納税について」令和8年9月15日(地方税法37条の2第2項第2号)、総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日、総務省 通知「ふるさと納税制度の適正な運用について」令和8年9月25日(2(3)、3、5(2))、総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」(PDFのp.5、p.13)、島根県「ふるさと納税の募集費用の支払先に係る一覧表の公表」、岡山市「ふるさと納税における各種一覧表の公表について」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。