ふるさと納税の指定が取り消された自治体に寄附したら?控除の扱い
- 総務大臣の指定を受けていない自治体への寄附は、ふるさと納税の対象外です(住民税の特例控除の対象になりません)。取り消された自治体では、取消しが施行された日以後の寄附が、この扱いになります。
- 総社市の案内では、施行日より前に済んだ寄附は控除の対象とされています。ただし、この点を明記した国の資料は、2026年11月6日時点で確認できませんでした。
- 2026年10月〜2027年9月の指定を受けていない自治体は、総務省の発表で確かめられます。
取り消されると、寄附はどうなるか
ふるさと納税の対象になるのは、総務大臣が指定した自治体への寄附だけです。総務省の資料は「指定を受けない地方団体への寄附金は、ふるさと納税の対象外」と説明しています。
指定で決まるのは、住民税の「特例控除」の対象になるかどうかです。地方税法37条の2第2項は、特例控除の対象を総務大臣が指定した自治体への寄附に限っています。総務省も指定制度を、「特例控除の優遇に値する寄附金の対象として相応しい地方団体」を指定するしくみと説明しています。指定外の自治体への寄附で、所得税の寄附金控除や住民税の基本分がどう扱われるかを明記した国の資料は、2026年11月6日時点で確認できませんでした。こうした寄附をした場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。
指定の取消しは、総務省の告示が施行された日から効力が出ます。たとえば2025年9月26日に発表された4市町(総社市・みやき町・雲仙市・山都町)は、施行が9月30日でした。取消しの対象になるのは自治体で、寄附をした人ではありません。
施行日の前と後で分ける
寄附が控除の対象かどうかは、取消しの施行日の前か後かで分かれます。次の表は、2025年9月30日に取り消された総社市の案内を例にしています。
| 寄附の時期 | 扱い |
|---|---|
| 施行日の前日(2025年9月29日)まで | 総社市の案内は「税控除の対象となります」。寄附の受付も9月29日で終わっています |
| 施行日(2025年9月30日)以後 | 指定を受けていない団体への寄附なので、ふるさと納税の対象外です |
返礼品の発送、寄附の取消しや返金、ワンストップ特例の手続きの扱いは、国の資料では確かめられませんでした。寄附先の自治体の案内で確かめてください。
「寄附の日」を申込日とするか決済日とするかは、自治体やポータルによって違うことがあります。年末や取消しの前後に寄附するときは、受領日の確かめ方も見てください。
寄附先が指定されているかを確かめる
2026年10月1日から2027年9月30日までの指定は、総務省が2026年9月25日に発表しています。
- 総務省の「ふるさと納税に係る指定制度に関する総務大臣の指定」(令和8年9月25日)を開く(下の出典から開けます)
- 冒頭の注にある「指定の申出書の提出がなかった団体」を見る
- 寄附先の自治体が入っていないかを確かめる
- 入っていれば、その自治体の公式サイトのお知らせで、受付の状況を確かめる
この発表では、申出書が出なかった団体は東京都、長野県須坂市、岡山県総社市、岡山県吉備中央町、佐賀県みやき町、長崎県雲仙市、熊本県山都町の7団体です。全1,788団体のうち、1,781団体が指定されています。
このうち須坂市から山都町までの6団体は、下の表にある取消しを受けた団体です。東京都は取り消された9団体には入っておらず、申出書を出さなかったために指定を受けていません。
指定は年度の途中で変わることがあります。取り消された自治体は、取消し期間が終わる月に1回に限り申出ができ、審査を受ければ、その指定期間(9月30日まで)の残りについて指定を受けられます(総務省のQ&A 別紙2 問45)。寄附する直前に、最新の発表を見てください。
これまでに取り消された9団体
2019年6月に指定制度が始まってから、2026年3月24日の総務省の資料の時点で、指定を取り消されたのは9団体です。
| 自治体 | 取消しの施行 | 違反とされた基準 | その後 |
|---|---|---|---|
| 高知県奈半利町 | 2020年7月23日 | 地場産品基準、返礼割合3割以下 | 2022年10月1日に復帰 |
| 宮崎県都農町 | 2022年1月18日 | 返礼割合3割以下 | 2024年4月13日に復帰 |
| 兵庫県洲本市 | 2022年5月1日 | 返礼割合3割以下 | 2025年10月1日に復帰 |
| 長野県須坂市 | 2025年6月17日 | 地場産品基準、募集の適正基準 | 2026年10月からの指定の申出書を出しておらず、指定を受けていない |
| 岡山県吉備中央町 | 2025年6月17日 | 返礼割合3割以下 | 同上 |
| 岡山県総社市 | 2025年9月30日 | 返礼割合3割以下 | 同上 |
| 佐賀県みやき町 | 2025年9月30日 | 募集費用の割合(5割基準) | 同上 |
| 長崎県雲仙市 | 2025年9月30日 | 募集費用の割合(5割基準) | 同上 |
| 熊本県山都町 | 2025年9月30日 | 募集費用の割合(5割基準) | 同上 |
取消し期間は、2025年当時は2年でした。2026年4月1日からは「3年以内」になり、2026年10月1日からは最大5年前の違反まで取消しの対象になります。ただし経過措置があり、指定期間の初日が2029年9月30日までの間は、さかのぼれるのは2025年10月1日以後の違反までです(総務省のQ&A 別紙2 問46)。「募集費用5割以下」の基準は2026年10月に削除され、寄附金活用可能額の基準に変わりました。2026年10月の見直し全体は、2026年10月のふるさと納税の改正でなにが変わったかで説明しています。
よくある質問
取り消された自治体の返礼品は、あとで届きますか?
国の資料には書かれていません。取消し前に済ませた寄附の返礼品の扱いは、寄附先の自治体の案内で確かめてください。
前に寄附した自治体が取り消されたか、思い出せません。
寄附先の一覧は寄附履歴の確かめ方で調べられます。調べた寄附先を、上の発表と見比べてください。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月6日。出典:総務省「ふるさと納税指定制度に係る総務大臣の指定」令和8年9月25日、総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日、総務省 通知「ふるさと納税制度の適正な運用について」令和8年9月25日、総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」令和8年4月1日(別紙2 問45・問46)、総務省「ふるさと納税について」令和8年9月15日(地方税法37条の2第2項)、総務省「国地方係争処理委員会の勧告を受けて行った検討の結果について(概要)」、総務省 報道資料「ふるさと納税の対象となる地方団体の指定の取消し」、総社市「にゃ輪プロジェクト」のページ(2025年11月25日更新)、山都町「お知らせとお詫び」(2025年9月26日)。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。