ふるさと納税の「総所得金額等の40%」上限とは?3つの上限を整理
- 「総所得金額等の40%」は、所得税の寄附金控除で、控除の対象にできる寄附額の上限です。
- 住民税には別の上限があります。基本分は総所得金額等の30%まで、特例分は住民税の所得割額の20%までです。
- 総所得金額等は年収ではなく、所得をもとにした金額です。たとえば寄附が18万円なら、40%の上限にかかるのは総所得金額等が45万円未満のときです。
3つの上限を並べる
ふるさと納税の控除には、性格の違う上限が3つあります。「40%」はそのうちの1つにすぎません。
| どの控除か | 上限 | 何に対する上限か |
|---|---|---|
| 所得税(寄附金控除) | 総所得金額等の40% | 控除の対象にできる寄附額 |
| 住民税の基本分 | 総所得金額等の30% | 控除の対象にできる寄附額 |
| 住民税の特例分 | 住民税の所得割額の20% | 特例分として引かれる税額 |
40%と30%は寄附額の上限で、20%だけは引かれる税額の上限です。
ネットの「控除上限額の目安」は、主に3つ目の20%の上限をもとにしています。40%や30%の線には、多くの人は届きません。
数字の例で見る
次の表は、考え方を見るための例です。実際の税額を示すものではありません。
| 例 | 総所得金額等 | 40%の線 | 30%の線 | 寄附額 |
|---|---|---|---|---|
| 例1 | 400万円 | 160万円 | 120万円 | 10万円 |
| 例2 | 50万円 | 20万円 | 15万円 | 30万円 |
例1は、寄附額が40%の線にも30%の線にも届かないので、この2つの上限は関係しません。
例2は、寄附額が両方の線をこえています。こえた部分は、その控除の対象になりません。所得税の寄附金控除は、寄附額と40%の線の低いほうから2,000円を引いて計算します。例2では20万円から2,000円を引いた額が所得控除になります。
例2のように寄附が所得に対して大きい年は、寄附したぶんがそのまま控除されるわけではありません。実際にいくら控除されるかは、お住まいの市区町村や税務署で確かめてください。
総所得金額等とは
総所得金額等は、年収そのものではありません。収入から必要経費などを引いた「所得」をもとにした金額です。会社員なら、給与の収入から給与所得控除を引いた額が、中心になります。
源泉徴収票では、「給与所得控除後の金額」の欄が近い数字です。ただし、副業や株の売却などの所得があれば、それも加わることがあります。自分の総所得金額等は、前年の確定申告書か、住民税の通知書で確かめられます。
40%が問題になるのはどんなとき
40%の上限が効くのは、所得が小さいのに、寄附額が大きい年です。
- 年の途中で収入が大きく減った年に、まとめて寄附した
- 事業の所得が小さい年に、寄附を多くした
会社員が上限の目安の範囲で寄附するなら、たいていは40%の線に届く前に、20%の上限に当たります。たとえば総務省のモデルでは、年収1,000万円の独身または共働きの人の上限は18万円です。18万円が総所得金額等の40%をこえるのは、総所得金額等が45万円未満のときだけで、この年収では起こりません。
2027年(令和9年)の寄附から、住民税の特例控除には193万円の上限が加わります。これは40%とは別の上限で、給与収入1億円相当の人が対象です。2026年の寄附には関係しません。
よくある質問
40%をこえると、確定申告で何かが変わりますか?
申告書の書き方は変わりません。寄附の合計額をそのまま書きます。対象になる額の上限は、控除の計算の中で決まります。書く場所は、寄附金控除をどこに書くかで説明します。
ワンストップ特例のときも、40%の上限はありますか?
ワンストップ特例では、控除がすべて翌年度の住民税から引かれます。このため、控除の上限は住民税のほうの上限で決まります。自分がワンストップか確定申告かは、判定の道具で確かめられます。ワンストップの期限は1月10日に間に合わないときにまとめています。
自分がワンストップ特例と確定申告のどちらになるかは、判定の道具で確かめられます。
ワンストップか確定申告か判定する確認日:2026年11月5日。出典:国税庁 タックスアンサー No.1150「一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」、国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」、総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日、総務省「税金の控除について」。この記事は一般的な制度の説明で、個別の税額や申告のしかたの判断ではありません。ご自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確かめてください。最新の情報は公式のページで確かめてください。